永遠に続く落下。
それは何時もの夢だと知覚はしていた。
暗闇の中を堕ちるだけの、只の脳が見せる映像に過ぎないと。
コールタールの様に総てを飲み込む闇は、朔の四肢を舐めるように侵食し、壊死した肉が崩れ落ちていく。
それは白い泡のように闇に浮かび、落ちる朔を見送った。
ぼろぼろと、肉片に染み付いていた取るに足らない感情が溶かされていく。
以前はその無常さが心地良かった。しかし、今の朔は何故か焦燥を覚える。
胸の辺りから腐り落ちた肉片がこぽりと黒に浮かび、それを取り戻そうとして、朔は手を伸ばした。
そっと握り締めると、温かい熱が指先を暖める。
それに安堵の息を吐き、朔は片頬を吊り上げた。
しかし、それは一瞬のことで、崩れ、白骨が覗いた指の間を擦り抜けていく。
訳も無く、朔は叫び声をあげた。
開いた口中に闇が侵入し、その圧倒的な質量に朔は息が出来なくなる。
掴み取ろうとしても無駄なのだと、乞うても遅いと、知っていたはずなのに。
愚かな自分を哂い、朔はそっと顔を覆った。
そして、骨の冷たい感触に、朔は息を詰める。
指先に感じる雫、それは無くしたはずの涙だった。
夢
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御礼&蛇足という名の後書き
ゆうきさんに頂いたSOMのイラスト! 朔君! イケメン!!!! 繊細な感じがすごくっぽくて見目麗しいです。一話っぽい感じで、サウンドオブサイレンスが聞こえてきそうな素敵ないラストだと思いました! +αが非常にポエムですが、基本的にSOMはポエム小説だと思っているので許してください。ゆうきさん、本当に素敵なイラストをどうも有り難うございました!